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なとりうむ
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アイデンティティー・シンドローム

 前略──名も知らぬあなたへ。
 私は ここに 存在しています。 あなたは どこに 存在していますか?
 『存在証明』を求めるものより──草々。

 薄く差し込む朝日を吸収し、キラキラと揺れる海面。吹きあがる風に乗る塩の匂い。足裏に感じるゴツゴツした岩場の感触。
 たまらなく不快。なれることのないこの感触。しかしこの感覚もまた、一つの『存在証明』。地球を肯定する私たちに向けられた、存在の証。
 そして私自身も、そうするためにここにいる。
「七恵……今日も、ここらへんでいいでしょ?」
 耳に届く、優しい声音。うんと頷き、私は海岸に立つ彼の下へ足を運ぶ。
 彼と私の手には、『存在証明』をするための褐色のビンが握られている。正確にはその中の手紙の事なのだが、結果的にはどちらも同じなのかもしれない。
 私が此処にいるという『存在証明』を、誰とも知らぬ人に告げることには。
 小波に揺れる、宝石箱をひっくり返したような海の中に、彼がビンを放る。しばし戸惑ったみたいにそれはたゆたい、やがてキラキラと輝く水面にとけ、消えていった。私もビンを流し、その姿が見えなくなるまでじっと見つめ続けた。
 海の煌きに解けたあのビンは、果たして誰の下に届くのだろう? そもそも、届く事すら出来ているのだろうか? わからない。だから私は投げ続ける。
 私が此処にいる理由──『存在証明』のために。
「──行こうか?」
 柔らかい声。私は小さく頷いた。うん、と。

 私はある病気にかかっている。ある日突然、何の前触れも無く、それは襲った。
 『存在証明症候群』
 名づけるならば、まさにそれだ。
 おもな症状は『不安』。そして『恐怖』。
 主な原因は『孤独』。
 どの医学書も、どんな名医も知らない病気。だけどその病気は確実に存在していて、今も私を苦しめている。
 ──ふと、思うのだ。
 私は私で、唯一無二の存在。それが私。見掛けが似ていようと、性格が似ていようと、絶対に合致しない。私は私であり、そのほかの何物でもない私。でも、ならば──
 なぜ、私は此処にいるのだろうか?
 漠然とした疑問、でも確かな疑惑。
 この町で、この国で、この世界で、この宇宙で、この森羅万象の中で。何故、私は此処にいるのだろうか? 何の理由があって?
 どんなに探しても、求めても、確かな答えが得られるわけではなかった。故に私は今でも求め続けている、私が此処にいなければならない、いるという『存在証明』を。
 しかし──擬似的なモノを、一つだけ耳にした。
 アイ。そう、アイだ。人々はその言葉を頻繁に口にする。
 アイを。アイしたい。アイに。アイならば。アイすべき。アイだから。
 そのたび、私は思うのだ。アイとは、何て不確かなものなんだろうと。
 確かな『存在証明』とは何か。得るためにはどうすれば良いのか。私は今日も、探し続ける。

「アイって、一体なんなんだろうね?」
 突然かけられた質問に、私はすぐ怪訝そうな顔を彼に向けた。
「……急に、なに?」
 考えを見透かされたようで、なんとなく憮然とする。
「いや、別に。なんとなく、詩人の気分になりたかっただけ」
「……」
 飄飄とした調子の彼をおき、同居するアパートへの足を速め、
「──空想の産物」
 ぼそりと、私はそう口にした。足を止めて彼を振り向くと、彼は肩をすくめ、役者臭い顔を作った。
 私が彼の太ももに蹴りを入れてやると、「いてェ」と彼はほくそえんだ。
「──手紙、届いていると良いなぁ」
 再び歩き始めたところで、ややあって彼は聞くとも無しに聞いた。
「……そう、だね」
「届いているよな、きっと」
「……そう、だね」
「今日の晩ご飯、ハンバーグつくってくれねェかなぁ」
「……そうだね」
 再び同じ箇所に、けりを入れてやった。私は、小さく笑った。
 そう──私は、この男を嫌いではない。でも、スキでもない。考えが共感しただけの関係。
 宇宙を証明するのは地球。
 地球を証明するのは生物。
 生物を証明するのは人類。
 人類を証明するのは人類。
 そして──私を今現在、証明してくれているのが、彼。
 病気にかかった私を馬鹿にする者たちの中で、彼だけが真剣に聞きとめてくれた。その後に、言ってくれたのだ。「じゃあ俺が、その病気を治してやるよ」、と。
 正直、驚いた。
 私の病気をなんとも無い体たらくで受け止めてくれた事に対し、またそうされることによってわき上がる、生ぬるい安心感にも。
 アイの無い、男女の関係。周りは驚くけど、私はそうは思わない。おそらく彼も不思議に思ってはいないはずだ。……でも、どうしてだろう。
 どうして彼は、億単位の中から、私を選んで自らの『存在証明』にしようとしたのだろう? むろん共感した、ということもあるだろうが……。
 彼は語らない。私も聞かない。あまり、口数が多いほうではないから。
 彼はどうして、私とともに『存在証明』を求めたのだろうか──?
「──あっ」
 そのときふと彼が声を上げ、小走りで道の端に駆け寄った。
「どうしたの」
「……この子」
 悲哀でヒビの入った、その優しげな声。彼の腕の中には、白い毛を朝露で濡らす、ぐったりとした子猫が抱かれていた。
「捨て猫?」
「うん……しかも、生まれたばっかり」
 ミーと、金属音の鳴き声がした。しばしの間。
「……とりあえず、もって帰ろう。このままじゃ、この子死ぬよ」
「えっ」
「え? なに?」
 不思議そうな彼に、私は口をつぐんでふるふると首を振った。彼はやや早足で、帰路につく。
 嫌、だったわけではないが──。
 なんだろう。黒く細い、不安になるような感覚が、一瞬体を駆け巡ったのだ。
 私はそれが何か探ったが、結局分かる事は無かった。
 ミーと、小さく金属音の鳴き声がした。

 子猫はシロと名づけられ、家で飼われることになった。名前の由来は言わずもがなで、私は反対したが、彼が引かなかった。
 シロは回復すると、よく彼になついた。私が餌をやると食べず、彼がやると陽気に駆け込んだ。私が股旅を振ると足蹴りされ、彼が振ると仰向けになってじゃれあった。なんだか、むっとした。
 それでもやはり子猫はかわいいものだった。弱々しい鳴き声も、ご飯を食べる仕草も、柔らかく綺麗な毛並みも。
 そう──私なんかよりも、ずっと。
 じゃれあう彼とシロ。仲の良い二人の間に私が入る余地は無かった。
 体が、うずいた。『存在証明症候群』という名の絶望が、私をふいに襲った。
 これだったのだ。シロを家に持ち帰ると彼が言ったときの、体にめぐった黒い何か。私はこのシロに自分の『存在証明』を取られるのではないかと、直感的に懸念した。そして、それは当たったのだった。
 孤独。不安──絶望、に……ふと、引っかかる何か? 私はわずかに動揺した。自分の『存在証明』をなくしたショックではなく──別の何かが、私の胸につっ変えていた。小さく、でも確かにあるもの。なに? これはなに? どす黒く──粘っこい、この感覚は?
 金属質の楽しげな鳴き声がした。
 優しい声音の、愉快な笑い声がした。
 広がる不安に、頭を抱える私がいた。

「ねえ……行こう?」
 急かす調子が暗に含まれる言葉を、私は口にした。
「え、あ、うん……そうだね」
 優しげな彼の声は、今日は浮かない。今日は決まった、『存在証明』のためビンを海に放る日。私の手には毎回同じ内容の手紙が入ったビンがある。彼の手には、すやすやと寝息を立てるシロの姿がある。
 わずかな沈黙。
「……ごめん、今日はいけないや。シロまだ寝てるから、おきたときシロだけじゃ不安だから……」
「そう。そうだね」
 凍てつくほど口調は淡白なのに、私の心は焦げ付く何かに悲鳴を上げた。
 私は一人で海岸へ向かった。途中で虫がたかり、木々の枝が肌をかすめ、ゴツゴツした岩が靴底に食い込み、塩くさい風が髪をかき上げた。
 不快だった。とてつもなく。
 虫、木、地球の『存在証明』にも──脳裏をかすめる彼とシロにも。もう、彼とは駄目だ。利害が一致しない。離れよう。──『存在証明症候群』に苦しむ自分はそう叫ぶ。しかし、そうしたくない自分が、どこかにいた。
 最近、時々思うのだ。自分は此処にいるべきではなく、もっとべつの、存在しなければならない場所があるのではないか、と。
 じゃあ、何故私はまだ此処にいるのだろう……?
 その理由は、『存在証明』をなくしつつある私に引っかかった、どす黒く、粘っこいあの感覚に帰属すると思う。あの感覚は日を追うごとに私を苦しめ、此処を出て行こうとする私を断じて許さなかった。
 私は何を望んで、ここまで彼に依存しようとするの?
 今日も快調に煌く水面は、相変わらず目に痛く、不快だった。いつもより投げやりにビンを放り、その行方を追う。
 果たしてあのビンも──誰かの目に留まり、私の存在を証明しているのだろうか?
 私は強くおくばをかみ締めた。そうだ。誰か拾い上げてくれているに違いない。だって、だってそうじゃないと私は──。
 振り切るように踵を返す。と、ふいに目端を何かのきらめきがかすめた。
 なんだろうと思い、波の打っては返す海岸に歩み寄る。はっと、息が詰まった。
 古びた褐色。それでいてきらめきを失わない表面。内部にある小さな紙切れ。
 私の『存在証明』が、そこにはあった。

 激しく肩で息をつき、私はアパートへ道を全速力で走りぬける。小枝が肌をかすめ、朝露にぬかるんだ地面で何度も転びそうになりながらも、私は速度を緩めない。まるで、ごほうびを貰いにいく子供のように。
 そして腕の中には、濡れたビンが一つ。
 抑えきれない感慨があった。嬉しさかどうか解らないが、それに近いような気もする。
 私は急ぐ。今までの私たちの行為は無駄ではなかったといいたくて──何より、彼が喜んであの優しい声をかけてほしくて。
 ──喜んでもらいたくて?
 その感情に多少の戸惑いを覚えつつ、私はアパートの前で立ち止まる。激しい呼吸を整えつつ、私は強くかぶりを振る。
 兎に角、今はこのビンを早く彼に見せてやりたい。私たちの『存在証明』は、沈まず、放流する事が出来たんだよ──と。
 勢いよく私はドアを開こうとし。
「……七恵ッ!」
 逆にドアが開き、びっくりして思わずたたらを踏んだ。困惑して顔を上げると、普段の飄然とした彼とはかけ離れた、悲哀に満ちた表情がそこにはあった。
「ねえ、このビン──」
「七恵、大変なんだ! シロが……シロが!」
 言葉を遮って叫ぶ彼にムッとしながらも、室内のシロを窺うと──
 シロはぐったりとしたようすで、畳に手足を放り出していた。
「いつもなら軽く体を揺すってあげるだけで起きるのに、今日は起きなくて! 持ち上げたらあんなふうにぐったりして、体も熱いし! どうしよう、どうしよう七恵、シロが、シロが!」
 彼は、完全に取り乱した様子だった。私が手に持っているビンに眼もくれず、体を取って返して優しげにシロを抱きかかえる。
「と、とりあえず病院に……!」
「ねえ、私、海岸でこれ──」
「七恵はここで、留守番してて! 状況は電話で報告するから!」
 ねえ……ねえってば。
 彼は私の声も聞かず、シロを抱いて家から飛び出し、車のエンジンをふかす。
「ねえ、私たちのビンが──」
 聞いて。ねえ、聞いて。
 血相を変えた彼は、意識をやる事もせず、荒々しく車を操縦して私の目の前から消え去っていった。
 ぐったりするシロ。
 シロを助けようとする彼。
「ねえ……私を見てよ……」
 そこに私の存在は、なかった。

 どす黒くて、粘っこくて、自己嫌悪に陥って、それでも私を彼の下から離れさせないもの。答えは簡単だった。世界にいる全ての人間が、等しく感じた事があるであろう感覚。
 ──嫉妬感。
 そう。私は嫉妬していたのだ。力の無い、頼る事でしか生きられない、小さな子猫に。
 そしてその感覚は、私に彼を依存させた。
 なぜ。何故あんな子猫が。私の『存在証明』を。悔しい。ねたましい。怨めしい。
 ──取り戻したい。どうしても。私の『存在証明』を。あの子猫から。どんな事をしても。ならば。
 どうすればいい──?
 ……『魔』が差した。そんな言葉では片付けられないのかもしれないが、そうとしか呼べないのもまた事実だった。嫉妬に歪むもう一人の私が、静かに優しく、毒々しく耳打ちするのだ。
 どうやれば彼を取り戻すことが出来るか。彼を自分に振り向かせる事が出来るか。『存在証明』を──私の、彼を。
 あんな子猫になんか、渡さない。絶対に。──妬む私が、そう、呟いた。

 シロの病気は軽い熱だったらしく、それほど重大なものではなかった。残業で家にいない彼を探すように、今はせっせと家中を散策しまくっている。
 そして私はそんなシロを胸に抱き、その夜、静かにアパートを出た。
 外は不気味なほど静かで、まるでその世界に招くかのように、整然と闇の羽根を広げていた。肌を擦るような風が静かに拭きつけ、さらにその暗たる雰囲気に拍車をかける。
 シロが腕の中から逃げ出そうともがくが、私は力を込めてシロを押し止めた。
 やがて道路に出た私は、隣に広がる林の中に身を隠した。様々な不快感に顔をゆがめるが、我慢して体を沈めた。道路を隔てた向こうには高い落差で小波を立てる海が広がる。
 ──シロが来る前の状態に、戻せばいい。
 妬む私が囁いたのは、そんな言葉だった。アイするものがアイするものを殺したとき、心には必ず隙ができる。そこにつけこめ、と。
 じきに彼が車で帰ってくる。そこでシロを飛び出させ、殺せば、全てが元通りになる。彼は泣き、私に求める。『存在証明』を。私に。私だけに──。
 シロが金属質の鳴き声を上げ、私の腕をかんだ。顔をしかめ、シロを見下ろす。
 漆黒の瞳と視線が合い、息が詰まった。
 悪意を知らず。無垢で。純粋な。何の穢れも無く見つめる、その瞳。断罪の瞳。
 骨の髄を縛るような、寒気が襲った。
 やめろ。やめて。そんな瞳で私を見ないで。私はただ、彼の『存在証明』を取り戻したいだけなの。あなたが悪いの。もう遅いの。だから、やめて。そんな目で、私を見ないで。
 ガチガチと歯が擦れ、手足が麻痺したように動かない。
 お願いだから、あきらめてよ、ねえ……。
 と、次の瞬間、一筋の光が闇を切り裂いた。──きた。彼の車だ!
 激しく動揺する頭。体が振るえ、言うことを聞かない。ただただ──怖かった。
 次の瞬間──
 唐突に、腕の中のぬくもりが消えた。同時に目に映る、飛び跳ねた白い影。けたたまいブレーキ音。鮮血の尾を残し、その白い影はすぐ夜気に消えた。横転した車はガードレールを突き破り、はるか下方の海岸へと落下していく。一拍おいて響く、轟音。
 ──すべてがスローモーションに見え、一瞬の出来事だった。私の体は固まり、呼吸する事すらままならない。
 やがてどうにか体を動かし、瓦解したガードレールから海岸を覗き込む。
 鮮血のような赤い炎が、潮風に揺られていた。
 ややあった静寂の後。
 私は、吐いた。

 彼は死んだ。シロと共に。私が、殺した。
 ──…………。
 新しい『存在証明』を見つけなければならない。でないと生きていけない。私の必然。でも。
 この胸に出来たぽっかりとした穴は、一体なんなのだろうか? 嫉妬間は消えたのに、こんなに憂鬱に、冷たい気持ちになる。
 もう彼は関係ない。何も求めない。
 そう思うたび、込み上げるすっぱいもの。なぜ? なぜ彼はまだ、私を苦しめるの? 何をしたいの? 何を求めるの?
 もう、助けてよ……。
 ふと視界に入った褐色のビン。この『存在証明』もまた、その意味を失ってしまったのだろうか。栓を抜き、中の手紙を取り出す。
 ──前略。
 拝啓──七恵様
「あ……」
 それは私の手紙ではなかった。私に宛てられた、彼の筆跡である。彼はずっと私に手紙を出していたのだろうか。ふいにわき上がる何かがあった。
 ──僕の 名前は 坂口啓吾
 その意味を図りかねたが、やがて悟る。私は──彼の名前を、知らなかったのだ。
 『存在証明』としての彼。それ以上でも以下でもない彼。そんな彼の名を私は聞かず──でも、耳にした今、圧倒的に押し寄せる安心感があった。
 わずかに動揺しつつ、手紙の内容を追い、
 ハッとした。
 最初は、意味が解らなかった。やがて、彼の言葉を否定する自分が現れて。でも。納得する自分のほうが、圧倒的に多くて。
 意識せず、頬を熱いものが伝った。一滴、二滴、溢れ出す思い。
 私は、全てを悟った。彼のこと、私のこと、彼が私を選んだ事、シロに嫉妬を抱いた理由、彼に求め、求められていたもの。

 ──僕は愛し 愛されている この思いが届いたとき 僕は誓う あなたと一つになり あなたの『存在証明』を 未来永劫続けていくと

「あぁ──」
 熱い吐息が漏れる。涙が溢れる。喪失感に胸が蝕まれ、押し潰れそうになる。
 彼の死を代償に、私は今知ったのだった。
 私は彼にアイをされ。そして、アイをされていたのだということを。
 私の咆哮が、夜闇を裂いた。

 群青色の空に、海。塩臭い風に、小波。私は褐色色のビンを持ち、今日も海岸に立っている。己の『存在証明』のために。
 だがビンの中に入っている手紙は、彼に宛てたものだ。彼は私を見続け、憎しみ続けているだろうから。
 仕方ないと思うし、それで良いと思う。裏返しだとしても、その憎しみが私に対するアイなのならば。私は彼の憎しみに、安心してこの身をゆだねる事が出来る。
 ──私と彼のアイは終わらない。永劫に。
 ザァザァと、私の『存在証明』を急かすように、波が打つ。
「はいはい。いま、あげるから」
 優しい声音で、私は言ってやる。ゆっくりとビンを流した。海はビンにきらめきを与える隙も無く、どっぷんとその腹にビンを収めた。
「せっかちだなぁ、もう」
 ──アイがどんな形であれ、私は求められ、求め続ける。

 前略──坂口啓吾さま
 シロの 墓を あなたの隣に 作ってあげたよ これで ずっと一緒 だね 私はうれしい あなたもうれしい シロもうれしい
 みんな しあわせ

 PS
 早く私を 殺してくれませんか?

 ──濃厚な殺意。それが彼と私の間に永劫続く、『存在証明(アイ)』なのだから。
 
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